家庭菜園のピーマンの育て方を種まきから収穫まで詳しく解説

家庭菜園におけるピーマンの育て方を種まきから収穫まで詳しく解説

ピーマンは、夏の家庭菜園で人気のあるお野菜です。

素人の私でも、一株から少なくとも50個以上は収穫でき、3~4株ほど育てるとかなりの収量になります。

旬の時期には、4人家族でも食べきれないほどです。

この記事では、図解や写真を交え、迷いがちなピーマンの仕立て方と基本的な育て方を詳しく解説していきます。

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ピーマン栽培の特徴

ピーマン栽培の特徴は、種は直まきせずに温かい場所でポットで育苗してから定植するのが主流です。

もちろん直まきでも育てられますが、早くに植えても気温が低いと発芽せず、収穫時期も遅くなります。

そのため、育苗ポットなどに播種し、温かい場所に置き加温しながら苗を育てます。

ピーマン栽培の大まかな手順

STEP
ポットやセルトレイに種をまく
STEP
ある程度の大きさまで育苗する
STEP
畑やプランターに定植する

ピーマンの収穫までの期間

ピーマンの収穫までの期間は、下の通りです。

種まきから収穫までの期間

約120日

開花後から収穫までの期間

約25日

*収穫までの期間は、気候や品種により多少異なります。

ピーマンの栽培期間

ピーマンの栽培期間は、下の表が目安となります。

ピーマン栽培期間
ピーマンの栽培期間

*栽培期間は、気候や品種により多少異なります。

早くから収穫したいなら、2月下旬には種をまき育苗します。

ただし、この時期はまだ寒いため、加温しながら育てる必要があります。加温しない場合は、4月ごろからの種まきとなります。

ピーマンの種の特徴

ピーマンの種の特徴は、発芽に光を嫌う性質の「嫌光性種子」です。

ピーマンの種の特徴

種の種類発芽温度発芽日数
嫌光性種子20℃~30℃5~7日

嫌光性種子とは、発芽に光を必要としないタネのこと。または、光が当たると発芽が阻害される植物のタネのこと。

好光性種子とは、発芽に光を必要とする植物のタネのこと。

ピーマンの種を発芽させるコツ

ピーマンの種を発芽させるコツは、嫌光性種子なので、種をまいたら土をしっかり被せることです。

または、発芽するまではポットに蓋をして、光が当たらないようにしておく方法もあります。

ただし、発芽をしたら日光を当ててやらないと、苗が徒長するので蓋は必ず取り外します。

ピーマンの連作障害について

ピーマン栽培には、連作障害があります。

ピーマンの特徴

種類科目連作障害
ピーマンナス科あり・約3年

対応策は、連作せずに他の科の作物を植えるのがベストですが、家庭菜園など限られた場所では難しいと思います。

私は、あきらめて連作しています。

その代わり、土の環境を整えることを意識しています。

土の環境を整える方法

  • 米ぬかをまく
  • ぼかし肥料をまく
  • 敷きわらをする
  • 混植する
  • わざと草をはやす

連作障害が起こる原因の1つは、連作で土の環境が偏ることで、作物の生育に悪影響が出て病害虫に弱くなることだと思います。

なので、土の環境が偏らないように、上の方法で対策を取るようにしています。

これは素人考えなので、どこまで功を奏しているかは分かりませんが、しないよりはマシだろうと考えてしています。

ピーマンの苦手な生育条件

ピーマンの苦手な生育条件は下の通りです。

  • 低温
  • 日照不足
  • 乾燥
  • 過湿

ピーマンの原産地は南アメリカの熱帯地方で、低温は苦手です。日当たりの良い場所で育てます。

また、日照りが続くなど極度な乾燥状態になると、実が奇形したり尻ぐされ病になります。

この病気の原因はカルシウム不足で、乾燥により水分から栄養を吸収できなくなるために起こる現象です。

このように乾燥が苦手なピーマンは、逆に湿度は大丈夫だろうと思いますが、過度な過湿は根腐れの原因になり苦手です。

熱帯地方出身なのに、湿度が苦手とは意外です。

ピーマンってデリケートなんですね。

乾燥も苦手、過湿ダメとくれば、水やりのタイミングが重要となります!

毎日じゃぶじゃぶと水をやるのではなく、株が弱らない程度に土が乾くのを待ち、水をやる時はたっぷりあげるというように、メリハリが大切になります。

結局のところ乾燥・過湿に関して大切なのは、株や土の状態を良く観察することに尽きますね。

よく観察することで、どのタイミングで水やりすれば丁度良いのか分かってくるはずです。

気候が梅雨か真夏か立秋か、生育環境が地植えかプランターかなど、条件が異なれば同じ品種のピーマンでも水やりの仕方も変わってきます。

では、栽培方法の詳細を紹介していきます。

ピーマンの栽培方法

ピーマンの栽培方法は上でも述べた通り、種から育てる場合と苗を購入して育てる方法があります。

苗は4月頃からホームセンターなどで出回りますが、あまり早くから定植すると寒さで弱る可能性もあります。

早くから定植したい場合は、ビニールで覆うなど寒さ対策が必要となります。

ピーマンの種まき

ポットにまいたトマトの種

ピーマンの種まきは、2月下旬ごろからスタートできます。

ただし、ピーマンは発芽温度が20℃以上必要なの加温が必要です。加温をしないなら、4月ごろからの種まきとなります。

加温方法
  • 床暖房や電気カーペットを使う
  • 発芽育苗器を使う

ピーマンの種のまき方は二通りあります。

種のまき方
  • セルトレイにまき、本葉が2~3枚ほど出たらポットに鉢上げ
  • 初めからポットに種をまく

セルトレイを使う方法は、たくさん苗を育てたい場合に向いています。小規模な家庭菜園なら、鉢上げの必要のない初めから育苗ポットにまく方が楽です。

種をポットにまく場合

種をポットにまく場合、一つのポットに種を3粒まきます。

ポットのサイズは3号(直径9cm)~4号(直径12cm)がお勧めです。本葉1~2枚ぐらい出るまで育ったら、育ちの良いもの一つを残し他は間引きます。

3粒まいても、最終的には1ポット1苗

ピーマンの定植

ピーマンの苗

ピーマンの定植は、種まきから約70~80日後に行います。この頃には、本葉6~7枚ほど出てきているはずです。

また、定植に適した日中と夜間の気温は、日中は20℃程度、夜間は10℃以上となります。

ざっくり考えると、定植に向いた時期は、平暖地では4月下旬~5月初旬ごろです。

ただし、苗の状態により植え付けを遅らせた方が良い場合もあります。上の写真の苗だと、もう少し成長させたいところです。

逆に、定植が遅れ成長が進み過ぎると、狭いポットでは養分不足や根詰まりになるので要注意です。

定植する場所は、袋栽培も可能ですが畑かプランターが一般的です。

畑に定植する場合

畑に定植する場合、最低限必要な株間は約40cm~50cmです。

たくさん苗を植えたくなりますが、株を大きくするには最低でも40cmの株間が必要です。

プランターに定植する場合

プランターに定植する場合、深型プランターが向いています。

サイズは最低でも、幅50~60cm以上、深さ25cm以上必要です。土の量は25リットル以上入るものがいいです。

また、このサイズだと、一つのプランターに苗は一つにします。

ピーマンは、養分と水分が多く必要なお野菜です。養分不足を防ぐには苗一つにするのが無難です。

成長するスペースの観点から見ても、無理して二苗植えても結局は個体が小さくなります。かなり大きなプランターでないと苗二つは厳しいです。

定植後にすること

定植後にすることは三つあります。

定植後にすること
  • 仮支柱を立てる
  • 敷きわらをする
  • 水をやる

定植したての苗は、茎が柔らかく風で折れることもあります。その予防策として30cmほどの仮支柱を立てます。茎と仮支柱を麻ひもなどで止めておきましょう。

敷きわらは、土の乾燥と雨による土の跳ね返りを防ぎ、病気予防にもなります。

敷きわらをした後には水もやっておきます。

ピーマンの仕立て方

ピーマンの仕立て方は、3本仕立てが向いています。

3本仕立てにする方法は、一番花のすぐ下の脇芽を2本伸ばし、主枝(しゅし)と側枝(そくし)2本の合計3本とします。

一番花のすぐ下に良さそうな脇芽がない場合、主枝からから出た元気そうな枝(脇芽が成長したもの)を2本選びます。

ピーマンの仕立て方

ここで補足です。

ピーマンなどの野菜の枝は、主枝と側枝と区別して呼ばれます。

枝の区別
  • 主枝とは、初めからあった枝のこと
  • 側枝とは、主枝から出た脇芽を育てた枝のこと

ピーマンの脇芽かき・摘花・剪定・摘果

成長したピーマンの株

ピーマンの脇芽かき・摘花・剪定・摘果は、株を充実させて良い実を収穫するために欠かせない作業です。

これらをせず放任すると、葉に養分を取られ過ぎて実付きが悪くなったり、花や実が多すぎて花が落ちたり実が大きくならなかったりします。

また、葉が密集することで株の風通しが悪くなり、病害虫の原因になります。

脇芽かきと剪定方法

脇芽かきの方法は、育てる側枝以外の一番花より下の脇芽を取り除きます。

ただし、主枝と一番花より上の育てている2本の側枝から出る脇芽は放任で育てて大丈夫です。

剪定の方法は、生育中盤以降、枝が込み合った時に切り落とします。切り落とす枝は、内側に向いて生えているものを優先します。

剪定の目的
  • 風通しを良くするため
  • 中心部まで光を当てるため
  • 養分の節約のため

ピーマンの摘花

ピーマンの摘花は、株を丈夫に育てるための作業です。株が小さいころに咲く、一番花は取り除きます。

もし一番花を結実させるなら、必ず実が小さいうちに収穫するようにします。

また、剪定する必要のある枝に花が咲いていても、思い切って切り落としてください。

花が付いていると枝を置いておきたくなりますが、密集した枝の剪定は株を病気から守るために必要です。

ピーマンの摘果

ピーマンは、基本的には摘果はしなくて大丈夫です。

しかし実が多く付き過ぎた株は、小さいうちに摘果した方がいい場合もあります。ピーマンの実は小さくても食べられます。

ここで補足です。

パプリカは摘果が必要です!

なぜなら、パプリカは実を完熟させて収穫するため、実が株に付いている期間が長いです。

花が咲いてから収穫までの期間が長いと、それだけ株に負担がかかります。

そのためパプリカは、実付きの多い株は適度に摘果してやります。

ピーマンの収穫

収穫したピーマン

ピーマンの収穫は、種まきから約120日後からできはじめます。

注意する点は、初めのうちは実を大きくし過ぎないことです。特に株がまだ小さいころ、実を大きくし過ぎると株に負担がかかります。

ピーマンは株が元気な状態なら、11月下旬頃まで十分収穫できるので、目先の大きさに囚われず長期戦で収穫した方が最終的な収量が増えます。

以上が、私が実際にやってみたピーマンの種まきから収穫までの基本的な育て方を紹介しました。

ぜひ、参考にしてみてください

この記事の主な内容

  • ピーマンの発芽や生育条件
  • ピーマンの定植の仕方
  • ピーマンを三本仕立てする方法
  • 脇芽かき、摘花、剪定の方法
  • ピーマンの収穫の仕方

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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