ナスを種から育る | 脇芽かき・摘芯・切り戻し・仕立て方を詳しく解説

ナスの育て方で難しい脇芽かき摘芯切り戻し仕立て方を詳しく解説

ナスは、夏の家庭菜園で人気のあるお野菜です。

でも、育て方を調べると、摘芯や切り戻しなど、ナス栽培は難しそうなイメージがあります。

それでもナスを育ててみたいと思う方に向け、図解や写真を交えながらナスの育て方を詳しく解説していきます。

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ナス栽培の特徴

ナス栽培の特徴は、種は直まきせずに温かい場所でポットで育苗してから定植するのが主流です。

もちろん直まきでも育てられますが、早くに植えても気温が低いと発芽せず、収穫時期も遅くなります。

そのため、育苗ポットなどに播種し、温かい場所で加温しながら苗を育て、ある程度の大きさになってから畑やプランターに定植します。

ナス栽培の定植までの手順

STEP
ポットやセルトレイに種をまく
STEP
ある程度の大きさまで育苗する
STEP
畑やプランターに定植する

ナスの収穫までの期間

ナスの収穫までの期間は、下の通りです。

種まきから収穫までの期間

約120日

開花後から収穫までの期間

約25日

*収穫までの期間は、気候や品種により多少異なります。

ナスの栽培期間

ナスの栽培期間は、下の表が目安となります。

ナスの栽培期間 加温ありなし
ナスの栽培期間

*栽培期間は、気候や品種により多少異なります。

早くから収穫したいなら、2月下旬には種をまき育苗します。

ただし、この時期はまだ寒いため、加温しながら育てる必要があります。加温しない場合は、4月ごろからの種まきとなります。

ナスの種の特徴

ナスの種の特徴は、発芽に光を嫌う性質の「嫌光性種子」です。

ナスの種の特徴

種の分類発芽温度発芽日数
嫌光性種子20℃~30℃5~7日

嫌光性種子とは、発芽に光を必要としないタネのこと。または、光が当たると発芽が阻害される植物のタネのこと。

好光性種子とは、発芽に光を必要とする植物のタネのこと。

ナスの種を発芽させるコツ

ナスの種を発芽させるコツは、嫌光性種子なので、種をまいたら土をしっかり被せることです。

また、発芽するまではポットに蓋をして、光が当たらないようにしておく方法もあります。

ただし、発芽をしたら日光を当ててやらないと、苗が徒長するので蓋は必ず取り外します。

ナスの連作障害について

ナス栽培には、連作障害があります。

ナスの特徴

種類科目連作障害
ナスナス科あり・約3年

対応策は、連作せずに他の科の作物を植えるのがベストですが、家庭菜園など限られた場所では難しいと思います。

私は、あきらめて連作しています。

その代わり、土の環境を整えることを意識しています。

土の環境を整える方法

  • 米ぬかをまく
  • ぼかし肥料をまく
  • 敷きわらをする
  • 混植する
  • わざと草をはやす

連作障害が起こる原因の1つは、連作で土の環境が偏ることで、作物の生育に悪影響が出て病害虫に弱くなることだと思います。

なので、土の環境が偏らないように、上の方法で対策を取るようにしています。

これは素人考えなので、どこまで功を奏しているかは分かりませんが、しないよりはマシだろうと考えてしています。

ナスの栽培方法

ナスの栽培方法は、種から育てる方法と、苗を購入して育てる方法があります。

苗は4月ごろからホームセンターなどで出回ります。

しかし、あまり早くから定植すると寒さで弱る可能性もあり、植え付けは5月上旬あたりがお勧めです。

焦ってあまり早くから植えない!

また、たくさんナスを育てたいなら、種から育てるのがおススメです。

苗代2株分ほどの値段で種が購入でき、品種にもよりますがナスの場合は1袋で50~100粒ほどの種が入っています。

私はたくさん苗を育て過ぎ、定植する場所がなくて困りました。

広い畑が欲しいです!

ナスの種まき

ポットにまいたトマトの種

ナスの種まきは、2月下旬ごろからスタートできます。

ただし、ナスの発芽温度の適温は20℃前後です。この温度に満たない時期は加温が必要となります。

加温をしないなら、4月下旬ごろからの種まきとなります。

加温方法
  • 床暖房や電気カーペットを使う
  • 発芽育苗器を使う

ナスの種のまき方は、二通りあります。

種のまき方
  • セルトレイにまき、本葉が2~3枚ほど出たらポットに鉢上げ
  • 初めからポットに種をまく

セルトレイにまく方法は、たくさん苗を育てたい場合に向いています。小規模な家庭菜園なら、鉢上の必要のない初めからポットにまくほうが楽です。

種をポットにまく場合

種をポットにまく場合、一つのポットに種を3粒ほどまきます。

ポットのサイズは3号(直径9cm)~4号(直径12cm)がお勧めです。本葉1~2枚ぐらい出るまで育ったら、育ちの良いもの一つを残し他は間引きます。

ポットに3粒まいても、最終的には1ポット1苗

ナスの定植

ナスの苗

ナスの定植は、種まきから約80~90日後に行います。この頃には、本葉6~7枚ほど出てきているはずです。

定植が遅れ成長が進み過ぎると、狭いポットでは養分不足や根詰まりになるので注意しましょう。

畑のスペースの関係で定植を少し遅らせたい場合は、ひと廻り大きなポットに植え替えるなどの対応策がひつようです。

定植する場所は、袋栽培も可能ですが畑かプランターが一般的です。

畑に定植する場合

畑に定植する場合、最低限必要な株間は約50cmです。

たくさん苗を植えたくなりますが、株を大きくするには最低でもこのぐらいの株間が必要です。

プランターに定植する場合

プランターに定植する場合、深型プランターが向いています。

お勧めのサイズは、幅50~60cm以上、深さ25cm以上です。土の量は25リットル以上入るものを選びます。

また、一つのプランターに苗は一つにすること。

ナスは養分と水分が多く必要な種類なので、養分不足を防ぐために必ず苗一つにします。

また、スペースの観点からも、ナスは幅を取るのでかなり大きなプランターでないと苗二つは厳しいです。

定植後にすること

定植後にすることは3つあります。

定植後にすること
  • 仮支柱を立てる
  • 敷きわらをする
  • 水をやる

定植したての苗は、茎が柔らかく風で折れることもあります。その予防策として30cmほどの仮支柱を立てます。茎と仮支柱を麻ひもなどで止めておきましょう。

敷きわらは、土の乾燥と雨による土の跳ね返りを防ぎ、病気予防にもなります。

敷きわらをした後は、水もやっておきます。

ナスの仕立て方

ナスの仕立て方の代表的なものは、以下の2つがあります。

ナスの仕立て方
  • 二本仕立て
  • 三本仕立て

ナスの二本仕立て

ナスの二本仕立ては、一番花のすぐ下の脇芽を伸ばし、主枝(しゅし)と側枝(そくし)の合わせて2本とします。

それ以外の一番花より下の脇芽は取り除きます。

ナスの3本仕立て

ナスの三本仕立ては、さらに下の脇芽を伸ばし、主枝と側枝2本で合計3本とします。

それ以外の一番花より下の脇芽は、しっかしりた株に育てるために取り除きます。

ナスの脇芽の伸ばす場所

主枝の一番花より上に出た脇芽や、側枝から出た脇芽は育てます。

二本仕立てと三本仕立て、どちらが最終的に収量が増えるのか、今後実験してみたいところです。

ここで補足です。

ナスなどの野菜の枝は、主枝と側枝と区別して呼ばれます。

枝の区別
  • 主枝とは、初めからあった枝のこと
  • 側枝とは、主枝から出た脇芽を育てた枝のこと

ナスの脇芽かき・摘心・切り戻し剪定

ナスの脇芽かきと摘心は、株を充実させて良い実を収穫するために欠かせない作業です。

脇芽かきや摘芯をせず枝を放任すると、葉がもさもさと茂った株になり、葉に養分が取られて実付きが悪くなります。

また、葉が茂り過ぎると、病害虫の原因にもなります。

ナスの脇芽かき

仕立て方を決め、育てる側枝を決めた段階で、一番花より下の脇芽は必ず取り除きます。

また、取り除いても別の場所から出てくることもあるので、ときどきチェックするようにします。

ナスの摘芯

ナスの摘心は、家庭菜園初心者とって難しいかもしれません。私も慣れないうちは混乱しました。

ナスの摘芯

ナスの実(花)は、主枝と側枝から出る脇芽に付きます。

脇芽に花が付いたら、花の上2枚の葉を残して摘芯します。

脇芽に付いた花の下の、葉と茎の間からは、また脇芽が出てきます。(破線丸印のところ)

その脇芽(脇芽の脇芽)はいずれ実(花)が付くので育てていきます。

ナスの切り戻し剪定

収穫時のナスの切り戻し剪定

ナスの切り戻し剪定とは、実を収穫する際に枝を剪定することです。

上の図の場所を、実と一緒に切り取ります。

すぐ下の脇芽は残して育て、またそこから実を収穫します。

このようにナス栽培は、脇芽の脇芽の脇芽とエンドレスのように、脇芽についた実を収穫してきます。

ナスの摘果

ナスはたまに、同じ場所に花が二つ付くことがあり、そのままにしておくと同じ場所に実が二つ付きます。

そのまま実を二つ育てても良いですが、実の大きさは小ぶりになります。

実を大きくしたい場合、どちらか一つは摘果するようにします。

ナスの収穫

ナスの収穫

ナスの収穫は、種まきから約120日後ぐらいからです。

注意する点は、初めのうちは実を大きくし過ぎないことです。

特に一番花・二番花あたりの時期は、株がまだ小さいため実を大きくし過ぎると株に負担がかかります。

株の成長は、今後の収穫量を左右するので、実を大きくしたい気持ちをぐっとこらえて小さいうちに収穫します。

ここは我慢です!

ナスの生育状態の見分け方

ナスの生育状態の見分け方の一つに、花の状態を観察する方法があります。

花の雌しべが、雄しべより長く出ていると、生育が良いと言われています。

逆に、肥料切れなどで生育が悪くなると、雌しべが見えなくなります。

ナスの花の状態

ナスは、蜜を吸いに来たハチや風により受粉されるので、雌しべが見えない状態だと受粉が難しいです。

追肥や脇芽かき・摘芯・切り戻しなど適宜おこない、健康な株を維持するようにします。

また、生育不良の状態として、咲いた花が落ちてしまう現象もあります。

これは私が経験したことですが、花の状態は雌しべもしっかり出ていて良い状態でしたが、咲けども咲けども花が落ちるという現象がありました。

なんでだろう?と悩んでいるうちに、だんだん花が落ちなくなり結実するようになりました。

私が思い当たった原因は下の二つです。

  • 株が若かったので、実を付けるより葉や茎の成長を優先した?
  • 肥料過多で枝葉だけに栄養がいった?

正直なところ、原因が何なのか分かりませんが、花が良い状態だったので養分は足りていたと思います。

やっぱナスって難しいのかも知れません (>_<)

以上、私が実際にやってみたナスの種まきから収穫までの基本的な育て方を紹介しました。

ぜひ、参考にしてみてください

この記事の主な内容

  • ナスの発芽や生育期間
  • ナスの種は、嫌光性種子であること
  • ナスの定植の仕方
  • ナスの仕立て方
  • ナスの脇芽かき、摘芯、切り戻し方法
  • ナスの生育状態の見分け方

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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