きゅうりは夏の家庭菜園で人気のあるお野菜です。収穫後、調理せず食べられる気軽さもいいところです。
採れたてきゅうりの美味しさを味わってほしいです!
しかし、きゅうり栽培が初めての挑戦なら、疑問がたくさんあるのではないでしょうか?
この記事では、きゅうりを家庭菜園で栽培したい初心者の方に向け、種まきから収穫までの手順やポイントを丁寧に解説しています。
- キュウリ栽培の特徴
- きゅうりの種を発芽させるコツ
- 種まきから収穫までの手順
- きゅうりの仕立て方
- きゅうりの手入れの仕方
- きゅうりの自家採取の仕方
きゅうり栽培の特徴
きゅうり栽培の特徴は、3月~4月にかけてポットに播種し、温かい場所で育苗してから定植するのが主流です。
もちろん直まきでも育てられますが、春先に直まきしても気温が低くなかなか発芽しません。
直まきするなら6月に入ってからで、地ばいで育て9月~11月にかけて収穫します。
きゅうりの栽培期間
きゅうりの栽培期間は、下の表が目安となります。
タップすると画像が大きくなるよ!
*栽培期間は、気候や品種により多少異なります。
きゅうりの種まきの時期
きゅうりの種まきの時期は、大きく分けて3つに分かれます。
- 春まき
- 夏まき
- 秋まき
早くから収穫したいなら、3月に入ったら播種して育苗していきます。
ただし、3月はまだ寒いため、加温しながら育てる必要があります。加温しない場合は、4月ごろからの種まきとなります。
きゅうりの定植の時期
苗は4月頃からホームセンターなどで出回りますが、あまり早くから定植すると寒さで弱る可能性もあります。
5月に入ってから、温かい日に定植するのがベストですが、早くから定植したい場合は、ビニールで覆うなど寒さ対策が必要となります。
きゅうりの収穫までの期間
きゅうりの収穫までの期間は、下の通りです。
種まきから収穫までの期間
約70日
開花後から収穫までの期間
約7~10日
*収穫までの期間は、気候や品種により多少異なります。
きゅうりの種の特徴
きゅうりの種の特徴は、発芽に光を嫌う性質の「嫌光性種子」です。
きゅうりの種の特徴
種の種類 | 発芽温度 | 発芽日数 |
---|---|---|
嫌光性種子 | 20℃~30℃ | 7日~10日 |
きゅうりの種を発芽させるコツ
きゅうりの種を発芽させるコツは、下の通りです。これらのコツを実践すれば、きゅうりの種を効率的に発芽させることができます。
光の遮へい
嫌光性種子なので、種をまいたら土を1cmほど被せます。また、発芽するまではポットに蓋をして、光が当たらないようにしておく方法もあります。
ただし、発芽をしたら日光を当ててやらないと、苗が徒長するので蓋は必ず取り外します。
適切な温度と湿度を保つ
発芽には適度な温度と湿度が重要です。温度は20〜30℃程度を保ち、種を播く前に種まき用土を湿らせ、種まき後は土が乾かないように注意します。
新鮮な種をまく
品質の良い種を選びます。新鮮な種を使用すると発芽率が高まります。
きゅうりに向いた土づくり
きゅうりは成長が早く、短期間で豊富な栄養が必要です。このため、肥沃な土地を好みます。
最低でも定植するひと月前に、肥料として米ぬかなどを施しておきます。肥料を施す時期が遅れた場合は、ぼかし肥料にすると良いです。
また、きゅうりは根は浅く広く張るので乾燥に弱いですが、通気性のある土でないとうまく育ちません。そのため、高うねにしておきます。
きゅうりの連作障害について
きゅうり栽培には、連作障害があります。
種類 | 科目 | 連作障害 |
---|---|---|
きゅうり | ウリ科 | あり・約2~3年 |
対応策は、連作せずに他の科の作物を植えるのがベストですが、家庭菜園など限られた場所では難しいと思います。
私は、あきらめて連作しています。
その代わり、土の環境を整えることを意識しています。
- 米ぬかをまく
- ぼかし肥料をまく
- 敷きわらをする
- 混植する
- わざと草をはやす
連作障害が起こる原因の1つは、連作で土の環境が偏ることで、作物の生育に悪影響が出て病害虫に弱くなることだと思います。
なので、土の環境が偏らないように、上の方法で対策を取るようにしています。
これは素人考えなので、どこまで功を奏しているかは分かりませんが、しないよりはマシだろうと考えてしています。
きゅうりの苦手な生育条件
きゅうりの苦手な生育条件は下の通りです。
- 低温
- 日照不足
- 乾燥・過湿
きゅうりの支柱の立て方
きゅうりの支柱の立て方は、代表的なものが2つあります。
- 直立式
- 合掌式
きゅうりは、支柱を立てる時にネットも張るようにします。ネットは、きゅうりネットか園芸用ネットを使います。
私は園芸用ネットを何年も使いまわしているよ!
直立式の支柱の組み方
直立式の支柱の組み方は、狭い場所や1列で栽培する場合に適しています。支柱は地面に対して垂直に挿します。
少ない支柱で組めるので、支柱をたくさん購入する必要がありません。
合掌式に比べると、強度が落ちるのが難点ですが、斜めに筋交いを入れると強度を高めることができます。
合掌式の支柱の組み方
合掌式の支柱の組み方は、1畝に2列植える場合に適した支柱の組み方です。
または、土壌が固く支柱が深くまで刺さらない場合、土壌が柔らかすぎて支柱がぐらぐらする場合も、合掌式で支柱を組みます。
合掌式は、支柱を多く使いますが、直立式に比べ強度があります。
支柱同士の固定の仕方
支柱同士の固定の良し悪しも、支柱の強度に影響します。固定には、主に以下の資材を使用します。
- 紐(ビニール紐・麻紐)
- 園芸用クリップ
- クロスバンド
- 園芸用結束バンド
- かんたん結束ゴムバンド
簡単に固定できるのは、かんたん結束ゴムバンドだよ!
きゅうりの栽培方法
きゅうりの栽培方法は、種から育てる方法と苗から育てる方法があります。
苗をいくつも栽培するなら、種から育てた方がコスパは良くなります。
きゅうりの種まき
きゅうりの種まきは、3月ごろからスタートできます。
ただし、発芽温度が20℃以上なので加温が必要です。加温をしないなら、4月ごろからの種まきとなります。
- 床暖房や電気カーペットを使う
- 発芽育苗器を使う
種は一つのポットに3粒まきます。
ポットのサイズは3号(直径9cm)~4号(直径12cm)がおススメです。本葉1~2枚ぐらい出るまで育ったら、育ちの良いもの一つを残し他は間引きます。
きゅうりの定植
きゅうりの定植は、種まきから約35日前後に行います。この頃には、本葉3~4枚ほど出てきているはずです。
また、定植に適した日中と夜間の最低気温は、日中は15~20℃程度、夜間は10℃以上となります。
ざっくり考えると、定植に向いた時期は、平暖地では5月初旬以降となります。ただし、苗の状態により植え付けを早めたり遅らせた方が良い場合もあります。
苗の状態で臨機応変に!
また、定植が遅れ成長が進み過ぎると、狭いポットでは養分不足や根詰まりになるので要注意です。
定植する場所は、プランターでも栽培可能ですが、畑に定植するのが一般的です。
畑に定植する場合
畑に定植する場合、最低限必要な株間は約50cmです。
たくさん苗を植えたくなりますが、株を大きくするにはある程度の株間が必要です。
プランターに定植する場合
プランターに定植する場合、深型プランターが向いています。
サイズは最低でも幅50~60cm以上、深さ30cm程度必要です。土の量は25~30リットル以上入るものがいいです。
土の容量が十分でない場合、根が窮屈になり栄養不足や水不足になるので、なるべく大きなプランターで育てます。
また、上記サイズのプランターだと、植える苗は一つです。
定植後にすること
定植後にすることは三つあります。
- 仮支柱を立てる
- 敷きわらをする
- 水をやる
定植したての苗は、茎が柔らかく風で折れることもあります。その予防策として30cmほどの仮支柱を立てます。茎と仮支柱を麻ひもなどで止めておきましょう。
敷きわらは、土の乾燥と雨による土の跳ね返りを防ぎ、病気予防にもなります。敷きわらをした後には水もやっておきます。
敷きわらのコツ
敷きわらは薄めに敷く
きゅうりは浅く根を張るので、敷きわらを厚く敷くと根が土を通り越し、わらの部分まで出てきてしまいます。
これが原因で株が弱ることがあるので、敷きわらは薄めに敷きます。
上の画像だとわらの量がちょっと少ないです。
きゅうりのコンパニオンプランツ
きゅうりのコンパニオンプランツは、長ネギとニラがおススメです。
植え方のコツ
同じ植穴に植えること!
きゅうりの根と、長ネギやニラの根が絡むように植えます。近くに植えることで、長ネギやニラの根に付いた病原菌を防ぐ成分が、きゅうりの根の付近にも広がり病気を防いでくれます。
きゅうりの仕立て方
きゅうりの仕立て方は、親づるから出た子づるに実が良く付く性質を生かします。
ここで補足です。
子づるとは?
親づるから出た脇芽を育てると子づるになる!
きゅうりの脇芽かき・摘花
きゅうりは子づるに実が良く付きますが、下から5節目までの脇芽と雌花は摘み取ります。
その理由は、株がまだ小さいので実の収穫より株の成長を優先させるためです。
親づるの摘心のタイミング
親づるの摘心のタイミングは、つるが1.8m前後に伸びてきた頃です。おおよその目安は、つるがネットの先端まできた頃です。
子づるの摘心のタイミング
子づるの摘心のタイミングは、子づるに2つ目の雌花が付いた頃です。雌花の先の葉2枚残して摘芯します。
ただし、6節目移行から出た元気のよい子づる1~2本は、摘芯せずにネットの先端まで伸ばします。
また、子づるから出る孫づるは摘芯せずそのまま伸ばします。
収穫が始まった頃には、摘芯していないつるが一株に5本程度ある状態がベストです。
摘芯せずにつる残す理由
つるを全て摘芯してしまうと、株が種を作る方にスイッチが切り替わるため。
つるが伸びている間は、株が成長にエネルギーを向けていますが、全てのつるを摘芯してしまうと、成長よりも種を作る方にスイッチが切り替わります。
そうすると、短期集中で実がどんどんと成り、株が疲弊し終焉が早まります。
家庭菜園なら、ひと家族で食べる量を考えると、短期集中で大量に収穫するより、長期スパンで少しづつ収穫した方がいいので私はこうしています。
短期集中がいいなら、どの子づるも摘芯してね!
きゅうりの摘葉・下葉かき
きゅうりの摘葉は葉が密集してきた頃に、風通しを良くし採光するためにします。
下葉かきは、役目を果たした古い葉や変色した葉を優先して取り除きます。下側の風通しを良くし、病気を防ぐ目的があります。
摘葉・下葉かきの注意点
葉が極端に減ると、光合成による栄養が減り株が弱る。葉を取り過ぎないようにする。
きゅうりの収穫
きゅうりの収穫は、定植してから30日後ぐらいから可能です。最初の3本までは、株の成長を促すため、実が小さいうちに収穫します。
収穫の時間帯
早朝がおススメ!
きゅうりは朝どれの方が、みずみずしくて美味しいです。可能なら早朝に収穫します。
収穫する時期
- 実が約18cm程度になったら
- 開花後、約7日~10日後
収穫が遅れると、実が美味しくなくなる他に、下記のように株に悪影響を及ぼします。
- 他の雌花の結実が悪くなる
- 株のスタミナが切れ、病害虫に弱くなる
採種目的以外では、実を肥大化させないように気をつけましょう。
きゅうりの自家採取
きゅうりの自家採取の方法は、株に実を付けたまま黄色くなるまで完熟させて種を取ります。
取り出した種は、ゼリー状のものが付いたままでいいので、ジップロックのような袋に入れて2日ほど常温で発酵させます。
発酵させるとゼリー状のものが溶け、さらっとした液状になるので、それを水で洗い流して種をザルなどの上にに薄く伸ばし乾燥させます。
以上が、私が実際にやってみたきゅうりの種まきから収穫までの基本的な育て方を紹介しました。
ぜひ、参考にしてみてね!
- きゅうりの栽培期間
- きゅうりの定植の仕方
- きゅうりの仕立て方
- きゅうりの脇芽かきや摘芯方法
- きゅうりの収穫方法
- きゅうりの自家採取
最後までお読み頂き、ありがとうございました。