オクラはアフリカ原産で高温に強く、暑さがどんどん厳しくなる昨今の環境でも、潅水をきちんとすれば比較的育てやすいです。
収穫できる期間も長く、秋口まで採れたて野菜が楽しめるオクラは、家庭菜園におススメのお野菜です。
また、オクラは栄養価が高い緑黄色野菜で、カルシウム、ビタミン類を豊富に含みます。天ぷらや軽く茹でてあえ物にする以外にも、刻んで生で食べることも出来ます。
栄養豊富なオクラを食べて、夏を乗り切ろう!
この記事では、オクラの基本的な育て方と、2024年の成長記録を更新しながら解説していきます。
- オクラを発芽させるコツ
- オクラの栽培期間
- オクラの収穫までの期間
- オクラの具体的な栽培方法
- 2024年オクラの栽培記録(随時更新)
オクラ栽培の特徴
オクラ栽培の特徴は、種はポットで育苗してから定植する他に、5月以降なら直まきでも育てられます。
ただし、ダンゴムシやナメクジの多い環境では、発芽したての芽は食害にあいやすく、せっかく発芽してもなかなか育ちません。
そのため、ポットに播種して本葉が3~4枚になるまで育苗し、畑に定植する方が無難です。
直まきしても、毎年ほとんど虫に食べられます(>_<)
もちろん、苗を購入してもOKですが、たくさん植えるなら種から育てたほうがお得です!
オクラの種類
オクラの種類は多種多様ありますが、形や色などの見た目で区別されています。
種 類 | 特 徴 |
---|---|
丸オクラ | サヤの断面が丸い |
角オクラ | サヤの断面が五角、六角、八角形など |
白オクラ | サヤが白いオクラ |
赤オクラ | サヤが赤いオクラ |
丸オクラ
丸オクラは、サヤの断面が丸くてサイズが大きいのが特徴です。代表的な品種は、沖縄産の島オクラ、八丈島産の八丈オクラです。
収穫適期のサヤのサイズは15cmほどで、少し収穫が遅れても柔らかくて美味しいです。
角オクラ
角オクラは、サヤの断面が角張っているのが特徴です。角の断面は、五角形、六角形、八角形などがあり、一般的に流通しているのが、このタイプのオクラです。
収穫適期のサヤのサイズは8cm程度で、収穫が遅れると硬くなり筋張ります。
白オクラ
白オクラは、通常のオクラより色が薄く、白に近い黄緑色をしています。
通常のオクラより粘りが強く、サヤは柔らかめでうぶ毛が薄くアクが少ないので、サラダなど生食に向いています。
収穫適期のサヤのサイズは10cm程度で、収穫が遅れても硬くなりにくいです。
赤オクラ
赤オクラは、サヤの表面が紅色~赤紫色をしているのが特徴です。サヤが角ばっている五角種や、サヤの丸い品種もあります。
味は一般的なオクラと大きな違いはありませんが、果肉は緑のものより柔らかいです。サヤの赤い色は、抗酸化作用のあるアントシアニンによるものです。
加熱すると色があせやすく、色味を生かすなら刻んで生食するか、短時間の加熱にするようにします。
オクラの種の特徴
オクラの種の特徴は、発芽に光を必要としない「嫌光性種子」です。発芽温度は25~30℃なので、地温が低い4月ごろに播種するなら加温が必要です。
オクラの種の特徴
種の種類 | 発芽適温 | 発芽日数 |
---|---|---|
嫌光性種子 | 25℃~30℃ | 5~8日 |
発芽日数は、地温によりばらつきがあります。地温が20℃以下になると、発芽率も下がります。
温 度 | 発芽日数 |
---|---|
25~30℃ | 3~5日 |
20℃前後 | 約10日 |
15℃前後 | 約20日 |
オクラの種を発芽させるコツ
オクラの種を発芽させるコツは、下の2つです。
- 加温するか、5月以降に播種
- 覆土の厚さは約1~1.5cmが目安
- 種を一昼夜水につける
オクラは嫌光性種子なので、播種後はしっかり土を被せます。
また、オクラの種の殻はかたいので、一昼夜水につけておくと発芽率が良くなります。
オクラの栽培期間
オクラの栽培期間は、下の表が目安となります。
画像をタップすると大きくなるよ!
*栽培期間は、気候や品種により多少異なります。
早くから収穫したいなら、4月上旬ごろに種をまきます。
ただし、この時期は、育苗ポットで温かい場所で育てます。直まきするなら5月ごろからとなります。
オクラの収穫までの期間
オクラの収穫までの期間は、下の通りです。
種まきから収穫までの期間
約2か月
収穫できる期間
約3か月
※オクラの収穫期間は非常に長い
開花後から収穫までの期間
5~7日
*収穫までの期間は、気候や品種により多少異なります。
オクラの連作障害について
オクラ栽培には、連作障害があります。
オクラの特徴
種類 | 科目 | 連作障害 |
---|---|---|
オクラ | アオイ科 | あり・2~3年 |
連作障害の対応策は、連作せずに2~3年あけて植えるのがベストですが、家庭菜園など限られた場所では難しいと思います。
私は、あきらめて連作しています。
その代わり、土の環境を整えることを意識しています。
土の環境を整える方法
- 米ぬかをまく
- ぼかし肥料をまく
- 敷きわらをする
- 混植する
- わざと草をはやす
連作障害が起こる原因の1つは、連作で土の環境が偏ることで、作物の生育が悪くなり病害虫に弱くなることだと思います。
なので、土の環境が偏らないように、上の方法で対策を取るようにしています。
これは素人考えなので、どこまで功を奏しているかは分かりませんが、しないよりはマシだろうと考えてしています。
オクラの生育条件
オクラの生育条件は下の通りです。
オクラの苦手な生育条件
- 低温
- 過湿
オクラの好む生育条件
- 高温
- 強い日差し
オクラはアフリカ原産で、強い日差しを好み高温に強い性質ですが、反面低温には非常に弱いです。
特に、生育初期は低温を嫌うので、植え付けは温かくなってくる5月以降でないと低温障害にかかりやすいです。
オクラの草勢(栄養状態)の確認方法
オクラの草勢(栄養状態)の確認方法は、花と葉の位置関係と葉の形で判断します。
草勢 | 花と葉の位置 |
---|---|
適正 | 一番上についた花より上の葉が3枚程度 |
強い | 一番上についた花より上の葉が5枚程度 |
弱い | 一番上についた花より上の葉が1~2枚程度 |
草勢 | 葉の形 |
---|---|
強い | 葉の切れ込みが浅くなる |
弱い | 葉の切れ込みが深くなる |
オクラの草勢が悪くなるのは、以下の原因が考えられます。
- 日照不足
- 低温
- 過度な乾燥
- 過度な過湿による根腐れ
- 肥料不足
頂点の花より上の葉のが少なくなったり、葉の切れ込みが深くなりだしたら、追肥したり潅水を調節するようにします。
オクラのコンパニオンプランツ
オクラのコンパニオンプランツ(混植)は、マメ科の野菜と相性が良いです。混植する際の株間は、40~50cm間隔です。
オクラにおススメのコンパニオンプランツと、混植すると相性の悪い野菜は以下の表の通りです。
種 類 | 相 性 |
---|---|
枝豆(大豆) | 生育が良くなる |
ササゲ | |
つるなしインゲン | |
つるありインゲン | |
エンドウ (オクラの後に栽培) | |
ニンニク (ニンニクの後に栽培) | |
ピーマン | 生育が悪くなる |
唐辛子・しし唐 | |
ごぼう | |
なす |
豆類は根に繁殖する根粒菌の働きで、土壌に窒素が固定され肥沃になるため、多肥性のオクラとの混植は向いている。
ピーマンやナスなどの多肥性の野菜は、オクラと養分の取り合いになり相性が悪い。
その他の混植のメリットは、以下のものがあります。
つるありインゲンの場合
オクラの株を支柱代わりに利用できる。
エンドウの場合
エンドウは秋口に種をまき、越冬後に春から本格的に成長するので、枯れたオクラの株を残しておき支柱代わり利用する。
オクラの跡地は土が痩せるので、土壌を肥沃にする豆類の栽培が向いている。
ニンニクの場合
ニンニクの根は深く張るので、その根の後を利用することでオクラの根が深く伸ばせる。
オクラの具体的な栽培方法
オクラの種まきから収穫まで、具体的な栽培方法を紹介していきます。
オクラの種まき
オクラの種まき時期は、4月~6月ごろです。
発芽適温は25~30℃で、20℃以下では発芽がそろいません。4月は地温が発芽適温まで上がらないので加温が必要です。
また、発芽後も、低温が苦手なので温かい場所で育苗します。
5月以降なら直まきが出来ますが、前述したように食害を予防するならポットまきがおススメです。
直まきは虫害にあいやすい!
ただし、ポットにまく場合は、以下のデメリットもあります。
直根性なので、移植時に根が傷つくと生育が止まる!
このデメリットは、定植のタイミングで解決します。
本葉3~4枚の若苗で定植する!
種をポットにまく場合
種をポットにまく場合、1つのポットに種を3~5粒まきます。覆土は1~1.5cmです。
ポットのサイズは、3号(直径9cm)がおススメめです。
- 本葉2枚:2本立ち
- 本葉3~4枚:1本立ち
種を直まきする場合
種を直まきする場合、直径約5cm・深さ約1cmの穴に5粒ほどまきます。
株間は30~40cm、覆土は1~1.5cmです。
- 本葉3枚:2本立ち
- 本葉5枚:1本立ち
引き抜くと、残す株の根を痛めてしまうよ!
オクラの定植
オクラの定植は、種まきから30~40日後に行います。この頃には、本葉が3~4枚出てきているはずです。
定植する場所は地植えが一般的ですが、プランターでも栽培可能です。
畑に定植する場合
畑に定植する場合、最低限必要な株間は30~40cmです。
株を大きくするには、ある程度株間が必要ですが、オクラは直根性なので摘葉を適宜行うなら狭めの株間でも栽培可能です。※摘葉については後述しています。
プランターに定植する場合
プランターに定植する場合、オクラは根が下に深く生える直根性なので、幅60cm程度、深さ30cm程度の深型がおススメです。
株間は25cmは必要なので、幅60cm程度のプランターなら植える苗の数は2つとなります。
定植後にすること
定植後にすることは三つあります。
- 支柱を立てる
- 敷きわらをする
- 水をやる
オクラは品種にもよりますが、草丈が2m以上になるものもあります。
大きく成長すると茎も太く頑丈になりますが、台風などの強風にさらされる可能性もあるので、支柱をしておくと安心です。
敷きわらは、土の乾燥予防と雨による土の跳ね返りを防ぎ、病気対策にもなります。敷きわらをした後は、水もやっておきます。
オクラの仕立て方
オクラの仕立て方は、基本的には1本仕立てですが、わざと間引かずに1か所で2~4本育てる方法(密植栽培)もあります。
密植栽培で育てると、草勢が弱まり生育が悪くなりますが、以下のメリットもあります。
- サヤが柔らかくなる
- 株の背丈を抑えられる
- 成長を遅らせ、収穫時期に余裕ができる。
*オクラは収穫が遅れるとサヤが硬く筋張る
背丈を抑えるには、早めに頂点を切って枝を分岐させる方法もあるよ!
また、頂点を切らない場合でも、側枝(脇芽)がでることがあります。
草勢が正常~強い株なら、側枝を1~2本育てても問題ありません。草勢が弱いなら、側枝は摘み取ります。
オクラの摘葉
オクラの摘葉は、収穫するついでに行います。摘葉すると、以下の効果が得られます。
- 風通しを良くする
- 採光を良くする
- 病害虫の予防
- 養分が上の葉に行きやすくなり、次の収穫が早くなる
- 風通しが悪くなっている場所
- 痛んだ葉
- 収穫した節と直下の節の葉を残し、それより下の葉
摘葉は、一度に葉をたくさん取ると生育が悪くなる場合があるので、様子を見ながら行うようにします。
オクラの追肥
オクラは多肥性の野菜なので、よほど肥沃な土地でない限り追肥が必要です。
追肥のタイミングは、以下の通りです。
- 1回目:植え付けから2週間後
- 2回目以降:開花が始まったら2週間おきに
追肥する際、株元が不安定なら土寄せをして、株が倒れないようにします。
支柱で株を固定しているなら、無理に土寄せしなくても大丈夫!
オクラの収穫
オクラの収穫は、種まきから約2か月後からできはじめます。
収穫で注意する点は、実を大きくし過ぎないことです。
サヤを取り遅れると硬くなり筋張るよ!
オクラは朝に花が咲き、その日の夕方に花がしぼんでから実が成長していきます。収穫のタイミングは、開花後5日~7日が目安ですが、気温が低いと実の成長に時間が長くかかります。
また、品種により収穫サイズも異なるので、種袋などの説明書きを確認するようにします。
以上、オクラの種まきから収穫までの基本的な育て方を紹介しました。
ぜひ、参考にしてみてね!
ここまでの主な内容
- オクラの発芽や生育条件
- オクラの定植の仕方
- オクラの仕立て方
- オクラの収穫方法
ここからは、2024年の栽培記録を随時更新しながら紹介していきます。
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